くるんちゅ日記

1991年生まれ、統合失調症、専業主婦。日常を綴ります。

秋の夜長に 超私的 24歳専業主婦が選ぶ哲学の本

こんばんは、くるんちゅです。

 

 

九月になり、夜はだいぶ涼しく秋めいてきましたね^^

こんな夜は、本が読みたくなります。

 

わたしは統合失調症の回復期にさしかかっており、認知機能障害といって、かんたんにいうとあたまを使う能力が大幅に落ちる症状がでてきています。

この時期は、休息とリハビリが大事なんだそうです。

 

なので、ゆっくり自分のペースであたまをつかう読書や、ブログを書くことはわたしにとって大事なリハビリといってもいいかもしれませんね^^

 

 

というわけで、かんがえこんでしまう秋の夜長に、哲学をちょっとかじっただけの専業主婦のわたしが趣味で読んできた哲学の本をランキング形式で紹介します。

 

 

 

7位 死に至る病キェルケゴール 斎藤信治訳)

 

わたしが17歳のころに出会って衝撃を受けた本。

当時、キェルケゴールの生きた時代はヘーゲルなどに代表される近代のつめたい理性主義が根深く浸透していました。木を見て森を見ず、の反対、森を見て木を見ず、といったように自分自身すなわち個人そのものを見ずおおきな歴史の流れや経験などを、理性的に眺め理性的に分析し、理性的に問題を解決する…といったような。キルケゴールは、この流れに疑問を抱き、激しく悩み苦しみ、あるひとつの真理に到達します。

彼曰く「死に至る病」である「絶望」を事細かに観察し、繊細かつ大胆に描写したさまはまさに圧巻。

キリスト教のはなしがたくさん出てきますが、予備知識はほとんど必要ない親切な構成になっています。

 

死に至る病 (岩波文庫)

死に至る病 (岩波文庫)

 

 

6位 涼宮ハルヒの憂鬱 (谷川流

 

わたしがハルヒたちと同じ年の頃に彼氏さん(現在の旦那さん)におすすめされた本。

まるっきり哲学!という本ではないですが、高校生の目線で、「明日、時間、自我、存在、真理」について考え、悩み、挑戦し、失敗し、また悩み…。 諦めず果敢に立ち向かう姿はまるでちいさな哲学者です。

もういちど思春期のあのころに戻って、難しいことはなにも考えず「明日、過去になった今日の今の奇跡」を感じてみませんか。

 

 

 

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

 

 

5位 哲学的な何か、あと科学とか (飲茶)

 

旦那さんがファンの飲茶さんの本。科学と哲学の接続がスムーズで、流れるように読める本です。

わたしは大学で化学をやっていたので、エントロピー増大の法則の項目などは「よくもここまで一般の人にもわかりやすく!」と感心してしまいました。

親しみやすいけど毒のある文体がなかなかすてきです。

 

 

哲学的な何か、あと科学とか

哲学的な何か、あと科学とか

 

 

 

4位 哲学の教科書 (中島義道

 わたしが大好きな中島義道先生の本。ハルヒといっしょに旦那さんにプレゼントされました。

彼の哲学のルーツが感じられる本です。圧倒的な知識量、圧倒的な説得力、そしてなによりも、徹底的に真理を追い求め、戦う姿はもはや病的といえます。哲学とは思想ではない。文学でもない。芸術でもない。哲学者とはなんであるか?なんの役に立つのか?読者に「哲学病」を植え付け、引きずり回し、悩ませ、疑問を叩きつける「戦う哲学者」のまぎれもない名著。

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

 

 

3位 夜と霧 (ヴィクトール・E・フランクル 池田香代子訳)

16歳の時、数学の先生にいただいた本。

精神分析学者が、自らのナチス強制収容所体験を書き綴った壮絶な内容の本です。哲学者が書いた哲学書ではないですが、あえて紹介しました。

秋ってさみしくなりますね。いろいろ悩み、ことばにできない想いがめぐって眠れない夜もあるでしょう。そんな夜にこの本を読み切って、この本の、「言語を絶する感動」と評される読後感を味わってほしいからです。

16歳のわたしは、この本を読みおわったとき、ことばを失いました。その感情を表現するにはただの感動ということばや、泣けるといったことばはすべておこがましく思えてしまうほどの魂を揺さぶる感情でした。

壮絶な内容ながら、読みやすい訳の新版でそれほど長くはないので、いかがでしょう。

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 

 

2位 不幸論 (中島義道

また中島さんの本です。

やはり、視点が鋭いです。みなさんは幸せになりたいですか。幸せって幸せですか。ほんとうに幸せって、幸せですか?ーまず幸福とは何かを中島節で緻密に考察し、古今東西の「幸福論」をバッサバサ斬ります、斬ります。幸福がもたらすものを害悪とまで言い切ります。そして、彼はひとつの真理にたどり着きます。「あらゆる人生は不幸である」、と。

「しあわせであろうとする」ことに疲れたそんな夜に。

 

不幸論 (PHP文庫)

不幸論 (PHP文庫)

 

 

 

 

一位 ソフィーの世界 (ヨースタイン・ゴルデル 池田香代子訳)

これはもう鉄板ですね。物語は14歳の女の子と哲学者の、ふしぎな交流からはじまります。哲学の知識の解説にかなりのページを割いていますが、全体を通して哲学の本質への問いかけ、哲学の森に足を踏み入れたばかりの少女(=読者)のとまどいをやさしく包み込み、ゆるやかに引きずり込むそのストーリー構成と文章は秀逸です。時間を忘れて読みつづけてしまいます。

訳は、「夜と霧」とおなじく池田香代子さんです。彼女の訳はとてもとっつきやすくて良いですね。

ソフィーの世界

ソフィーの世界

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

勉強不足のわたしなりに、がんばってなつかしい本を思い出しながら、書きました。

 

 

 

それではまた(^^)ノシ